ISBN:4907725329 単行本 ニキ リンコ 花風社 2001/09 ¥1,800
■レビュー
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ADD=注意欠陥障害とは、生物学的な不具合がまず根底にあって、そこから心理的、社会的な問題へと波及していく障害である。くわしい症状などについては、第1巻『「わかっているのにできない」脳(1)』を参照していただきたい。
ADDの人は、パソコンでいえばメモリやディスク容量、処理速度が不十分な状態である。プログラムをうまく走らせるためには、まずパソコン本体を修理し、改良してやる必要がある。脳の機能を高める治療がそれにあたるのである。ADDの脳の機能を最大限に高めるには「生物学的治療」(食餌療法、有酸素運動、薬物療法、ニューロフィードバックなど)、「心理学的治療」(コーチングなど)、「社会的治療」(しつけ、対人関係のスキルなど)をバランス良く行っていくことが大切である。
たとえば食餌療法で高タンパク、低炭水化物食を推奨したり、薬物療法では、毎日決まった量のアデラールやリタリンの服用を推奨したりするなど、かなり細かい指示が出されている。なかでも興味深いのは、ニューロフィードバックである。これは頭皮に電極をつけて、脳波の周波数とパターンを調べる。測定された脳波はモニターに表示されるので、患者はこれを見ながら脳波をコントロールする訓練をするのである。発展途上の技術なので、これからが期待される。
「心理学的治療」のコーチングは、専属のコーチの指導の下、前向きな発想を持ち、人生の目標に向かっていく新しい治療法である。また、「社会的治療」では、親や教師の子どもに対する接し方が記されている。

不登校や学級崩壊など、子どもに関連する問題が多い現在では、著者の提唱する方法が効果を発揮するのではないだろうか。ADDに興味のある方にはもちろん、子育てや学校教育に悩んでいる方にも、ぜひおすすめしたい一冊である。(冴木なお)

内容(「BOOK」データベースより)
ADD(注意欠陥障害)の脳の機能を、最高に引き出そう。食事、薬、運動、サプリメント、ニューロフィードバック。自分のADDのタイプがどれかを知れば「ADDとの生活」はよりよいものになる。一万人の脳の画像が語るADDの脳の仕組みと6タイプ別ADD具体的対処法

双子の片割れのもう1冊。こちらはそんなに読み込みませんでした。日本ではちょっと無理でしょう……みたく思っちゃうんですよ。まあ、お金の無いひとは対象外のような感じですし。本を読んでそのように実行すればいいと言われるかと思いますが、自分で枠組みを作り、それを守ることに困難があるから 『障害』 なのだし……。自助努力がしづらい(絶対出来ないとは言いませんけど実りづらいとは言っておく。たとえ高知能の人でもひとりではかなり大変でしょうね)という特性(?)に当事者とそれに関わる周囲の人を困らせているのですから。子供のうちからちゃんと診断されて療育を受けられればまた違うのかもしれませんが。

なんて、後ろ向きっぽい? 

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